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4月18日(日)
ウエイン・グレツキー、ついに引退!! 日本にも既にニュースが伝わっている通り、“グレート・ワン”ウエイン・グレツキーがついに引退である。いつかはこの日が来ると分かっていたものの、やはり残念でならない。まだまだポイントしていたグレツキー、あと1年はやれると思っていたのに・・・。 15日のオタワ戦の前に引退表明。カナダでの最後のゲームとなったオタワでは、試合後、観客全員のスタンディング・オベーションの中、オタワの選手たちが駆け寄り、今だかつてない数々の記録を残した偉大なプレーヤーの功績を賛えた。この時点ではまだ正式発表がなかったため、「ありがとう、ウエイン!」というボードに混じって「やめないで!」というボードもちらほら見られた。 翌16日の午後4時から引退記者会見。会見場には、報道陣のほかにNYレンジャースのチームメイト全員がスーツ姿で登場。壇上には、中央マイクに向かって右側に、レンジャースのコーチ、GM、マディソンスクエア・ガーデンのマネジャーらが座り、左側にグレツキー・ファミリーとNHLコミッショナーのゲーリー・ベットマン氏。しかし何故か長女のPaulinaちゃんだけいない。2人の男の子、Trevor君とTy君はいたのに。 最初に彼の偉大な業績を振り返るビデオが流れた後、グレツキーのスピーチ。時々、ぐっとこらえるような場面もあったが、淡々と、しかもユーモアを交えて、自分の引退決意を語った。やはり周囲からは「あと1年やったらどうか?」と言われたそうだが、引退を1年先に延ばしたとしても、また同じように言われるだろうし、迷うだろうと考えたようだ。自分一人で出した結論に、何度も“the right dicision”を繰り返した。奥さんのジャネットさんにも事後報告だったそうで、彼女は「本当にいいの?」と何度も聞いたが、彼の決意は固かったそうだ。 スピーチ後の質問で「最も思い出に残っていることは?」に対しては、即座に「いちばん最初のスタンレーカップ」と答えていた。多くの質問に答えたなかで、私がいちばん印象に残ったのは、チームメイトのことを話した時だ。ゲームも練習も大好きだったけど、チームメイトたちとロードツアーに出たり、ドレッシング・ルームで他愛もないことを話していたことを、いちばん懐かしく思い出すだろう、と‥‥。レンジャースの選手たちは、神妙な顔ながら、うれしそうに聞いていた。
奥様のジャネットさんとはたいへん睦まじいことで有名だが、グレツキーが壇上から戻って席に着く前に必ずキスをしていたので、ほほうと思った。最後に、家族4人が前に出てきて撮影をする時間があったが、その時、ジャネットさんがグレツキーの肩に手をかけたのには少々驚いた。こりゃあ並みの女性にはなかなかできることじゃない。いくら奥さんだって、あのグレツキーの肩に手をかけちゃうなんて…。しかも引退会見で。でも、彼女がやるとカッコイイというか様になる。さすが元女優。日本的な“内助の功”なんて、ここには存在しない。ちゃんと“外”に出て「私が支えてるのよっ」ってなもんである。 そしてとうとう18日。NHLでの最後の試合の日である。マディソンスクエア・ガーデン前は、94年のスタンレーカップ・ファイナルの時のような騒ぎだった。
それからお父さんがベンツ(だったか忘れたが)で登場。この車はレンジャースからだったかNYからだったかのプレゼント。お父さんは車から降りて、にこにこと息子と抱き合う。数年前の脳の動脈瘤破裂で、お父さんは過去の記憶の一部を失ってしまった。その失われた記憶の期間には、グレツキーが最も偉大な記録を作った日々も含まれている。それで、グレツキーは父親に思い出してもらおうと、ゲームを見に連れてきているのである。 試合前の国家斉唱。今日の対戦相手はピッツバーグなので、本来ならアメリカ国歌だけなのだが、グレツキーの故国カナダに敬意を表して、カナダ国歌も歌われたのである。しかも、歌うのはノース・バンクーバー出身のブライアン・アダムスだ! 一緒に国歌を口ずさむグレツキー。ところが、最後の繰り返しのフレーズの歌詞は変えられていた。♪We will miss you Wayne Gretzky〜♪
ゲームはペンギンズに先制点を取られたが、その後、グレツキーのアシストで同点に。会場は涌きに涌く。第3ピリオド最後のシフトには、もちろんグレツキーが出ている。最後になるかもしれない瞬間に、会場は大歓声で、フェイスオフも遅れ気味。ジャネットさんは、目頭を何度もハンカチで押さえている。 結局1-1でオーバータイムに。ところが1分半を過ぎた時に、ヤーガーがゴールしてしまった。その時、グレツキーはベンチに座っていたのだ。会場からは何とも言えないため息のような、残念がる声がもれる。あ〜終わってしまった〜
一瞬、ヤーガーのゴールが分からなかったようなグレツキー。これですべて終わってしまったことに気付くと、寂しさに満ちた表情に変った。リンクでは、ペンギンズの選手全員が、スティックで氷をたたいて、グレツキーを賛えている。歓声に後押しされるようにリンクに降りたが、しばらくフェンスに顔を伏せてしまう。チームメイトにも賛えられて顔をあげると、その目は涙でぬれていた・・・。 それから両チームの選手たちとハグ。ヤーガーはやたら長かった。この中の多くの選手の少年時代のヒーローは、グレツキーだったに違いない。グレツキーに憧れてNHLに入ってきた選手も多いはずだ。
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