9月14日(月)

●ウィスラー到着

さあ、今日からウィスラーでカナックスのキャンプ見学。日本からわざわざキャンプを見に来たKちゃんと、ウィスラー行きのバスに乗り込む。彼女はこの3月にNHLホッケー観戦ツアーでバンクーバーに来て、その時に知り合った。まだ大学生だが、このキャンプのために夏休み中アルバイトに精を出し、身を粉にして働いて資金をつくったらしい。ちなみにNo.2マティアス・オーランドの大ファンである。

バンクーバーからウィスラーまでは、マーベリック・バスで約2時間30分。8時の始発に乗ったが、ウィスラー・ヴィレッジに着くのは10時半である。練習が行なわれているのは、ヴィレッジから車で10分ほど北にあるMeadow Parkというスポーツ施設。一刻も早く練習を見たいので、ヴィレッジで降りず、そのままMeadow Parkまで行くことにした。運転手さんにバス停を尋ねると「おっ、ホッケーを見に行くのかい?」ってな感じで、Meadow Park近くのバス停まで乗せてってくれた。私たち、ヴィレッジまでのお金しか払ってなかったんだけど・・・。

2人してデカい旅行バッグをかかえ(なにしろここに5泊するのだ)、はやる気持ちにせかされるように歓声が聞こえる建物の中へ。おー、やってるやってる!! 今、まさに練習試合の真っ最中。パックがビシバシぶつかる音を聞くと、からだ中の血が沸き上がってくるのを感じる。やっぱり私ホッケーが好きだなー、なんてしみじみ思ったりして。

キャンプを見に来るのは、今回が初めてではない。実は3年前にも日帰りで来たことがある。しかし、その時は何の下調べもせず、予備知識もなく来てしまったので、後悔することしきり。だってウィスラー・ヴィレッジ中に選手がゴロゴロいるのだ。次回こそは…と思い続け、3年めにしてやっと2度目のチャンスがきたわけだ。しかも一気に5泊6日である。無謀とも思いつつ、Kちゃんの熱意にやや引きずられる格好でやってきた。
3年前に比べると観客がずいぶん増えたような気がする。ここに来ているファンの層は、みなさんが想像するような若い“追っかけギャル”たちではない。女の子はむしろ少なく、もっとも多いのは少年ファンと地元のファミリーだ。父親と小さい息子、おじいちゃん・おばあちゃんと孫、そんな姿が目につく。

片側に4列しかないリンクサイドの座席は既にいっぱいなので、今日は外から見ることにした。隣に座っているおばちゃんはスコーミッシュから来たという。ひっきりなしにしゃべり続けるおばちゃんとは対照的に、隣にいるご主人は寡黙である。ご自身もホッケーをやっているそうで、好きな選手に話が及んだ時、初めて会話に加わってきた。ところがパベル・ブレは嫌いだという。spoilされ過ぎだ、というのだ。確かにあそこまで過保護にされ、大事にされているのに“バンクーバーは嫌い”宣言までしちゃったのだから、いくら過去に偉大な功績があっても、地元ファンはおもしろくないだろう。「なるほどねえ」などと思っているうちに、練習が終わってしまった。

「トレーニング・キャンプ・ガイド」が2ドルで売られていたので、さっそく購入。前回はコピー1枚だったのに(もちろんタダ)、なんだかずいぶん手がかかっている(金も、か)。
ガイドによると、今年はレッド、ブルー、ホワイトの3グループに分かれ、1グループが朝9:00から練習、残る2グループが10:30から試合をすることになっている。今日見られたのは、レッド対ホワイトの練習試合だったのだ。

●筆者、バンクーバーTVに登場!!

練習が終わった後、ロビーで選手を待つことにした。前回の経験では、練習後、シャワーを浴びて着替えた選手たちは、ロビーを通って、外で待っているシャトルバスまで行くのである。そこをつかまえれば、サインはほとんど問題なくもらえるし、写真も一緒に撮らせてもらえるのだ。

30分もすると、最初は大勢いたファンたちもだんだん少なくなってきた。出てくるのは名前も知らない若い選手ばかり。カナックスのファームであるシラキュース・クランチから参加している選手たちらしい。とうとう、待っているのは私たちと、ホッケーカード・ファイルをかかえた少年2人組だけになってしまった。
そこにローカル局であるバンクーバーTV(以下VTV)のカメラマンとインタビュアーがやってきた。少年たちにインタビューをして、カードのコレクションなどを撮影している。私たちの方には来ないだろうと思っていたら、なんとカメラが我々を撮り始めた。インタビュアーがこっちを向いて質問し始める。もちろん英語だ(当り前か)。どうせカットになるだろうと思いながら、適当にペラペラしゃべっていた。「5時か6時のニュースで放送するよ」とカメラマンが言い残して行ったが、まだ信じていなかった私。
しかーし、本当に放映されたんである!! 自分でもびっくり。しかも私よりしゃべっていたKちゃんではなく、私のほうが名前入りで紹介されてしまった。いやあ〜、そうと知っていたら、もっといい服を着て行くんだったな〜。

さて、その画面が下の2枚の写真である。

左の画面では「日本からわざわざキャンプを見に来たファンもいる」とナレーションが入っている。
右は筆者の名前入りで紹介されたもの。HPのことは一言も話していないのに、「CANUCKS FAN」という肩書きがついているのが嬉しいではありませんか・ 
何をしゃべっているかというと、「誰を待っているの?」と聞かれて「We are waiting for some other big・・・like Messier, Mogilny・・・」と言っている。otherと言ったのは、少年たちが既に何人かの選手の名前を挙げていたから。本当は2人でもっといろいろしゃべっていたのだが、メシエとモギルニーの名前を出したこの部分だけが放送されたのである。

実はこのわずか30秒あまりのTV登場が、翌日、思いもよらぬ展開をもたらすことなったのであるが・・・。

●ヴィレッジでランチをとっていた
 すんごいグループに遭遇!!

さて、時間をMeadow Parkへ戻そう。
結局、待っていてもお目当ての選手が出てこなかったので、あきらめてヴィレッジに戻り、ホテルにチェックインしてから、昼食を食べに出かけた。

前回来たときに、ヴィレッジ内のあちこちで多くの選手に遭遇した経験をもつ筆者は、メインストリートを歩きながらも、目はちゃんと、道行く人やレストランのテーブルに座っている人々をチェックしている。メインストリート沿いには、外にテーブルを出しているレストランが多いのだ。
「この辺のレストランに誰かいるかもしれないから、気を付けて見ててね」とKちゃんに言った瞬間に、ランチを食べているドナルド・ブラッシャーを発見!! 一緒にいるメンバーがまたスゴイ!! 6人用テーブルで、隣がトッド・バーツッジ、その隣がマティアス・オーランド、向かいにブラッド・メイ、デイブ・スカッチャード、スティーブ・ステイオス。
読者のみなさんにはまだあまりお馴染みではないと思うが、このメンバー、今をときめくカナックスの若手人気スター選手たちなのである。まあ、ブレの次の時代をになうスターたちと言ってもいいだろう。特に独身のオーランド、スカッチャード、ステイオスは、バンクーバーで若い女性ファンが急増中なのである。オーランドは昨シーズンのNHL最優秀新人賞候補になった実力派でもある。

あまりにもすごいメンバーなので、動揺して心拍数が上がってしまったが、意を決して、同じレストランに入ることにした。幸い、1つおいた隣のテーブルが空いたので、そこに腰掛ける。オーランドが好きなKちゃんに、彼が見える位置に座ってもらい、私は彼等を横目で見えるように座った。
しかし、これだけデカい男が6人もいると目立つ目立つ。みんな豪快に料理をたいらげている。何を話しているかまでは聞き取れないが、すっかりリラックスしちゃって、なにやら楽しそうである。

キャンプでいいところはコレなのだ。練習は午前中で終わってしまうし、まだシーズン前とあってそれほど緊張感はない。しかも、久々に会ったチームメイトとは、オフの間の話で盛り上がる。ウィスラーというリゾート地の雰囲気も、彼等をリラックスさせているようである。午後はほとんどフリータイムなので、みんな自由に過ごしているのだ。
ウィスラーヴィレッジは小さいので、このメインストリートのカフェやレストランに座っていれば、選手のほうからやって来てくれる。どこに行くにもこのメインストリートを通らなければならないからだ。

さて、食事を終えた彼等、支払う段になっておもしろいことを始めた。
それぞれ自分のクレジットカードを1枚取り出し、誰かの帽子の中に入れて混ぜる。そして隣のテーブルのおばさまに帽子を差し出し、1枚ずつピックアップしてもらっているのだ。その都度、メイがカードの名前を読みあげ、本人に返す。沸き上がる歓声。どうやら最後に残ったカードの持ち主が、今日のランチをおごるらしいのだ。あまりのおかしさに、つい私たちも身を乗り出して成り行きを見守ってしまった。私たちが隣だったら、彼等にカードを引いてくれるよう、頼まれたかもしれなかったのにー!
最後にカードが残ってしまったのはデイブ・スカッチャード。「ヘ〜イ、スカッチー」とみんなにひやかされ、スカッチャードはカードと伝票を持って支払いに。彼はチームメイトから「スカッチー」と呼ばれているらしい。この日から、私たちも彼のことをスカッチーと呼ぶようになってしまった。
その後、レストランを出た彼等は、ホテルとは反対方向に向かって行った(ちなみに、カナックスが宿泊しているホテルはデルタ・ウィスラー・リゾートである)。この日はみんなでゴルフを楽しんだようだ。

しかし、初日からこんなラッキーな状況になるとは・・・。私はある程度予想していたが、いきなり大ファンのオーランドにこんな形で出会えてしまったKちゃんはやや興奮気味である。
「1日目からすごいですねー」などと話していたのであるが、翌日はもっとすごいことが待っていた・・・。

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