9月15日(火)さらに続き

●まだまだ出てくる、選手たち!!

上の写真は、メディア専用エリアにいる筆者である。やはり幸せそうな顔をしている。私の真後ろにいるのが、インタビューを受けているモギルニー。その左、黒いポロシャツで頭をかいている人がエディさんだ。
写真でお分かりの通り、私が持っていったのはカナックスの古いジャージだ。この時代にファンになった私は、やはりこちらのほうが好きなのである。もう新しいマークにもカラーにも慣れてしまったが、前のほうが特徴があって、色もデザインも優れていたと思う。
が、今回、キャンプに来るにあたって考えた。今のメンバーはほとんど新しいジャージからの選手たちだ。新しいのを買うべきか・・・。否、やっぱりやめた。前のを持って行こう。あまり好きではないジャージに100ドルは大金だ(早い話が、お金がなかったのかあ〜?)。

さて、後ろのグランドではサッカーが始まっており、先ほどのナスランドやドナルド・ブラッシャーら6〜7人がプレーしている。そこに、参加しようとしていたピーター・ゼゼルが通りかかったので、自力でサインを頼んだ。エディさんから、もう自分たちでどんどん選手をつかまえていいですよ、と言われていたのだ。最初は、えっそんな!と思った。だってこのエリアにいる私たちは明らかに「場違い」。エディさんの前置きなしに、そんなことをしていいのだろうか? 
でも周りの人たちは誰も気にしていない様子。もう「特別入場者」として認知されたのだろう。よぉ〜し、がんばらなきゃ〜。

ゼゼルのお父さんは、ユーゴスラビアでプロのサッカー選手だった。そしてゼゼル自身も、サッカーとアイスホッケーで奨学金を得て、カナダの高校を卒業している。彼が初めてバンクーバーに来たのは15歳、カナダの20歳以下サッカー・チームの最年少メンバーとしてキャンプに参加した時だった。トロントでは、カナディアン・サッカー・リーグで数回ゲームをしたこともあるという。NHLの選手になるだけだって大変なことなのに、まったくスゴイ人だ。
ゼゼルは早くサッカーがしたくてウズウズしてたのか、ぱぱっとサインをしてくれた後、グランドへとんで行ってしまった。

30分ほどして、サッカーが終わった後、今度は戻ってくるブラッシャーをつかまえた。 ところが「ペラペラペラペラ、OK?」と言って去って行ってしまった。「ペラペラ・・・」の部分はもちろん英語だ。あまりに早すぎて、全然聞きとれなかったのである。なんて言われたんだろう? まさか「きみたち、ここにいちゃいけないよ」なんて言ってないよね。最後に「OK?」と言ってたし、汗びっしょりだったから、シャワーを先に浴びてくると言ったのかなあ…。
不安な気持ちで待つことしばし。・・・と、建物の中から、再びブラッシャー登場! こちらを見てニカッと笑う。ああよかった。あの「ペラペラ」はやはり、シャワーを浴びて戻って来るよ、と言っていたのだ。エディさんが例の紹介をしてくれると、ブラッシャーはすかさず「コニチワ」だって。楽しい人である。
実は、この時、ブラッシャーにサインをもらっている写真が、オルカベイのカナックス公式サイトに載ったのである!! またまたマスコミに登場してしまった私たち。が、残念なことに、この後すぐ、カナックスのホームページがリニューアルされてしまい、「1998年ウィスラー・キャンプ」のページは、なぜか見当たらなくなってしまった。現在、そのページと写真を復活させてくれるよう、オルカベイに交渉中である。

ふと横を見ると、ブレット・ヘディカンが出て来るではないか。おおっ、ヘディカン!! 実は私、彼の大ファンなのである。サインももう3回ほどもらっているが、ジャージにはまだだったのだ。ジャージの左胸(ハートの上だ!)は、彼のためにちゃんとあけてある。エディさんにそんな話をしていたら、紹介とともに、もう4つ目のサインであることを話してくれた。にっこり微笑んでくれるヘディカン。う〜ん、またまた気分は天国だ。
彼は相変わらずナイスでジェントルである。前にサインをもらったり、写真を一緒に撮ってもらった時もそうだった。試合中の激しいプレーと弾丸のようなスケーティング(ヘディカンはNHLでも速い選手として有名)からは想像もできないくらい、優しい雰囲気を漂わせている。また「NHL引退後は大学でビジネスを勉強したい」と言うだけあって、知的なイメージもあわせもっている人だ。
それに、ガールフレンドがフィギュア・スケーターのクリスティ・ヤマグチなので、東洋系の女の子には特に優しいような気がするのだが、気のせいかなぁ。
ついにヘディカンのサインを左胸にもらった!! これで、このジャージにやっと“魂”が入ったような気がする。広げてみたら、サインが横向きだったのがトホホだったのであるが・・・。

今度は、建物からトレーニング・ルームへ向かうマーク・メシエを発見。貫祿もオーラもあるのだが、紺のスウェットの上下を着て悠然と歩いて行く姿は、ただの恐いおっさんのようにも見える。ちょっと無精ヒゲもはえているし。
メシエのサインは、戻って来る時にもらうことにしよう。キャプテンに敬意を表して、右胸かな。

おっと、ここでマイク・キーナン登場!! 昨日、写真を一緒に撮ってもらったのだが、サインはまだだった。やはり、いっぺんに幾つもは頼みにくいものである。
キーナンのサインはどこにもらおう? 後ろはだいぶ埋まってきたし、右胸はメシエだ。そう、指令塔のキーナンには、右腕に書いてもらおう。そこがいちばんふさわしい。
あいさつをしてジャージを差し出すと「あ、前のジャージだね」。私は、選手がサインしやすいように、もらいたい面だけを出してたたんでおくのだが(しかしヘディカンのような失敗もある)、色を見てすぐ気づいたようだ。当り前か。4年前のファイナルで、いやというほど見たジャージだ。
キーナンの雰囲気は、一言でいうと“重々しい”感じ。やはり「鉄は重い」か(彼のニックネームは“アイアン・キーナン”)。でも、冷たい感じはしない。なんというか、彼のなかに、頭脳やら作戦やら思惑やら判断やら忍耐やら葛藤やらが、ぎゅーっと凝縮して詰め込まれているような雰囲気なのだ。非常に抑制がきいた人、という印象である。

メシエが戻ってきた。が、TVクルーの取材を受けている。じっとガマンの私たち。しかし、次々に取材につかまり、そのまま建物の中へ。
シュンとしていると、オルカベイのメディア・リレーションの人が来て、私たちのジャージを預かり、ロッカールームへ行って、メシエのサインをもらってきてくれると言う。彼だっていろいろ忙しいだろうに、なんて親切なのだろう! これもたぶん「日本からはるばるキャンプを見に来ているから」なのである。さっきエディさんが、この人と話をしているのを見たもの。またまたズキンとうずく私の良心。ごめんなさいっ。お詫びにHPの『カナックス・ファン』で、カナックスを一生懸命プロモートしますっっっ。
彼は、サインが欲しい面を出してたたんだ状態のジャージを、崩さないようにそーっと両腕に1枚ずつ乗せている。こういう細やかな心配りができる人は、カナダ人では珍しい。しかも若い男性なのに。
建物の中へ入って行った彼は、しばらくすると、その両腕の状態のまま、申し訳なさそうな顔で戻ってきた。メシエはもうシャワールームに入ってしまったそうなのだ。いえいえ、もう充分です。こんなにして下さったうえに、大切なジャージを丁寧に扱っていただいて…。心からお礼を言って、ジャージを受け取った。

さて、お腹も空いてきたけど、どうしよう。エディさんは仕事があるのでもう帰らなければならないそうだ。でも「待っていたらメシエは出てくるよ」とのこと。そこで、私たちだけで待つことにした。ここで逃したら、二度とチャンスは来ないかもしれないし。
エディさんにも、心からお礼を言って、手を振った。いやあ、本当にいくら感謝してもし足りないくらいだ。彼が声をかけてくれなかったら、この夢のような状態は訪れなかったのである。世の中にはいい人って、いっぱいいるんだなあ。

この時間になると、もうほとんどの選手が帰ってしまい、メディア関係者も少なくなってきたので、警備員は建物内に引っ込んでしまった。すると、さっきまでフェンスの外で待っていた子供たちが中に入ってきた。もう誰も何も言わない、フリーな空間だ。
そこに、やっと出てきたメシエ。たちまち子供たちに囲まれ、サインをしてあげている。私たちも一緒に並んで(ちょっと恥ずかしいが)、とうとうサインをもらうことができた。しかも、一緒に写真まで撮ってもらった。これで、待ったかいがあったというものだ。
メシエはその後、自分の車で帰って行った。よし、マイカーで来ている選手は、ここに駐車しているんだな。明日から、表ではなく、裏で張り込んでいよう(なんだかデカみたいだ)。

今日はいったい何人にサインをもらえたのだろう? 昨日までほとんど真っ白だったジャージが、あっという間に文字で埋まった。
既にファミリーカーニバルの時、エイドリアン・オーコインとスティーブ・ステイオス、そして昨日はGMのブライアン・バーク氏とコーリー・ハーシュにもらっている。あと欲しいのは、ブラッド・メイ、オーランド、バーツッジかな。

このように、キャンプ2日目は大充実・大満足の日であった。
えっ、まだ2日目?

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