Canucks Fan: News

2月24日(木)
マクソーリー事件、その後

21日、ボストン・ブルーインズのマーティー・マクソーリーが、カナックスのドナルド・ブラッシャーに対して起こした事件について、昨日、NHLのvice-president コリン・キャンベルから正式処分が発表された。

マクソーリーは23試合の出場停止が決定。これはレギュラーシーズンとプレーオフ全試合、そして、もし彼が来シーズンもプレーを続けるならば(本人はそのつもりらしい)、来シーズンにも持ち越される。
さらにキャンベルは、マクソーリーに対して、来シーズンが始まる前に、NHLのコミッショナー、ゲイリー・ベットマンに会って今回の件についての話をし、彼の状況を再査定してもらうことを要求している。
また、ブラッシャーの回復状況によっては、出場停止が延長されることも有り得ると述べている。

23試合出場停止は、NHLの歴史で最も長い期間だそうだ。この処分決定と発表はニューヨークで行なわれた。マクソーリーはNYまで出向いていないが、キャンベルは、ビデオは判断するに充分であり、決定はそう難しいことではなかった、と語っている。
「彼(マクソーリー)は後ろから殴っている。ホッケースティックでこめかみを強打している。ひどいことだ」

この処分について、関係者やファンの反応はさまざまだ。適切とする人、甘すぎるとする人、マクソーリー一人をなぜ攻めると言う人(バイオレンスもホッケーの一部じゃないか、と)・・・

カナックスのGM、ブライアン・バークは「適切なペナルティーだと思う」と言っている。「マクソーリーはタフでいいプレーヤーだが、彼のしたことは受け入れ難いことで、彼はそれについての責任をとらなければならない」

ベットマン、キャンベル、バークが恐れていたことは、NHLのイメージダウンだった。
「これはまったくリーグらしからぬことだ」とバークは言う。「この事件を見ていた子供たちのご両親に言いたい。こういうことはNHLのゲームの一部ではない。今日の処分で、それがクリアになったと思う」

「これは確かに我々のゲームを反映していることではない。我々は、ホッケーをこのように描写してほしくないと思っている」とキャンベル。

NHLは他のスポーツのようにファイトする選手を締め出すべきか、との質問に対して、ベットマンは「ホッケーは他のスポーツと違う。ホッケーには独自の歴史と伝統がある。ゲーム中にファイトがあることと今回の事件とを、同一視するべきではない。このようなことは、ファイトがなくても、ゲーム中に起こりうることだ」と述べている。

バンクーバー警察は、今回のことを暴行事件として扱い、捜査を進めている。これについても意見はさまざまで、公共の場のルールをスポーツのリンクという領域に適応させるのはどうか、という意見もある。しかし、それならばリンクは治外法権であっていいのか、という疑問も出てくる。

マクソーリーは、事件直後の映像では、がっくりと肩を落とし、反省の弁を弱々しく語っていた。彼は今シーズンでブルーインズとの契約が切れるが、来シーズンもプレーを続けたいという意向があるらしい。しかし、新たな契約先を探さなければならないし、その前にベットマンと話さなければならない。

カナックスのメンバーは、この処分を聞いて、ひとまず落ち着きを取り戻したようだ。昨日のアナハイム戦はタイに押さえて、ここまで4戦、負け知らずできている。ブラッシャーの分も頑張って、このまま前進したい、というのがクロフォード始め全員が思っていることだ。

ブラッシャーはgrade-3の脳震盪で、トレーニングを再開するまでには、少なくとも2〜3週間かかると診断されている。ゲーム復帰は、まだ何とも言えない状況だ。
歩いたり話したりはできるが、昨日は朝からずっと頭痛がしていたそうで、顔には傷跡、頭にはみみず腫れが、痛々しく残っている。脳震盪で恐いのは後遺症だ。これからまだ幾つかの精密検査を受けなければならない。
マクソーリーの処分の内容が伝えられると、しばらく沈黙し、「今はまだ何も語るべきではないと思う」と静かに話したそうだ。
彼は19日のオタワ戦までに、NHLキャリアで自己最多の11ゴールを記録しており、今シーズンは好調だった。今シーズン中に復帰できるか、後遺症は出ないか、自分の選手生命は・・・など、さまざまな不安が胸に渦巻いているに違いない。マクソーリーが、肉体だけでなく精神にも与えた衝撃は、NHLにとっても一人の選手にとっても、とてつもなく大きかった。

この事件は、昨日はテレビの各ニュースでトップ扱い、アナハイム戦の中継の間にもNYからの記者発表の様子が入ったり、キャンベルが生インタビューに答えたりしていた。
驚いたのは、日本でもかなり大きく報道されていたことだ。何人かの読者の方が、メールで教えてくださった。普段はホッケーのホの字も放送しない民放でも、ニュースで大きく取り上げていた、とか・・・。

こういう面ばかり露出されるから“氷上の格闘技”なんて言われてしまうのだろう。
でも、こういうニュースだけじゃなくて、いいことでも取り上げてほしいよなぁ。たとえば「フロリダ・パンサーズのパベル・ブレが、今日のゲームで4ゴール決めました! では、その芸術的なゴールをご覧ください」とか。ホッケーのイメージアップは、日本のほうが大変かもしれない。

これでひとまず落着したが、今回の一件は今後もさまざまな議論を呼びそうである。 ファンの私たちは、ブラッシャーの1日も早い全快を祈るばかりだ。

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