3月6日(月)
対トロント・メープルリーフス 5-6 OT
19・19・19
このナンバーは何かって? これは、今日GMプレイスが最高に盛り上がった瞬間を示す数字である。
白熱したすごいゲームだった。今日、観戦に行った人は、得した気分だったに違いない。3ゲーム分くらい、楽しめたのではないだろうか。
最初のゴールはカナックスだった。第1ピリオド4分、No.25アンドリュー・カッセルズがやや遠目から放ったショットが見事に決まる。アシストはNo.89アレクサンダー・モギルニーとNo.4グレッグ・ハウグッド。
しかし、2分もたたないうちにトロントにゴールされ、1-1の同点。そして、中盤でまた得点されて1-2に。
今日のスターティング・ゴーリーはNo.29フェリックス・ポトヴァンだが、2ピリ以降、→No.30ガース・スノウ →ポトヴァン →スノウ と目まぐるしく替わっている。敵を撹乱させる作戦か?
1ピリが終わる10秒前、No.24マット・クークが、メープルリーフスのマッツ・サンディーンと膝でぶつかり、サンディーンは氷上に四つんばいになったまま、立てないでいる。顔を見ると、かなり痛そうで、歯を食いしばっている感じ。ビデオリプレイでは、滑ってきたクークが、サンディーンとすれ違う時、クークの右足とサンディーンの左足がクロスし、膝がぶつかりあっている。
私は身震いがした。まったく同じシーンを、前に見たことがある。それはモギルニーがケガをした時だった。彼はそれで何ゲームかアウトになったはず。
サンディーンの様子からすると、やばいことになってるかもしれない。シーズン終盤にきて、それはチームにとっては痛手である。
クークはニーイングのゲーム・ミスコンダクト・ペナルティーをとられ、1ピリが終わった。選手たちはみんなドレッシング・ルームに引き上げたが、ヘッドコーチのマーク・クロフォードは、まだベンチに残って、主審相手に、すごい剣幕で何か抗議している。おそらく、クークは故意にやったんじゃないのに、ゲーム・ミスコンダクトは重すぎる!と言っていたのではないかと思う。まあ、あの時点では、サンディーンの様子がただ事ではなかったので、仕方がなかったかもしれない。
幸いなことに、サンディーンの痛みは瞬間的なものだったようで、第2ピリオドにはもう復活していた。
今日のカナックスの動きはなかなかいいので、「よぉ〜し、これから反撃だ〜〜〜!!」と思っていたら、あれよあれよという間に1-3、1-4、1-5になってしまった。しかも、もう第3ピリオドに入っている。こんなに点差が開いてしまっては、もう追い付くことも不可能だろう、と私を含め、多くのファンが考えたはずだ。ところが、反撃はここから始まったのである。
まず、開始5分のパワープレーで、No.55エド・ジョバノフスキーが、No.44トッド・バートゥッジのショットのリバウンドを、滑り込んで来て、きれいにシュートした。ジョバにこんな技ができるなんて思わなかった。これで2-5。
3点目を取るまでには、少し時間がかかった。後半13分、No.3ブレント・ソペルのアシストで、モギルニーが今季18ゴール目を決める。これで3-5。残りは7分弱。
残り2分32秒で、メープルリーフスのパワープレーになってしまった。
メープルリーフスは、時間を稼ごうとしているらしく、トロント・ゾーンでのろのろとパスしあって、積極的に攻撃に出てこない。あと2分半守りきれば、勝てるからだ。
対して、活気が出てきたカナックスは、この勢いで攻め続ける。チャンスはカナックスに訪れた。ルーキーのNo.15ハロルド・ドルーケンが放ったブルーライン近くからのロングショットが、きれいにネットに入って、ついに4-5にまで追い付いたのである。もう会場は大騒ぎ。残りは2分12秒。
それでも、まだメープルリーフスのパワープレーである。正直言って、いくら勢いが出てきたからと言っても、そう都合よく奇蹟のようなことは起こるまい、と思っていた。ドルーケンの4点目だって、充分、奇蹟に近い。
ところが起きたんである、奇蹟が・・・。
あと少しでパワープレーが終わるという時、マーカス・ナスランドがセンター付近で素早くパックを奪ってブレイクアウェイ。ゴールに突進する。そして、左に揺さぶりをかけて、右にできた空間に、スコーンとパックを叩き込んだ!!
喜ぶナスランドにカッセルズとジョバノフスキーが飛びつく。他の選手もやってきて、フェンス際にカナックスの固まりができていく。会場は、何が何だか分からないくらいの大騒ぎ。
・・・私は、奇蹟を目の前にしている気分だった。ナスランドが突進している時でさえ、「たぶん、カットされるだろう。世の中、そんなにウマくいくはずがない」と思っていたのだ。最近、ちょっとユーウツなことが多く、それが私をネガティブな気持ちにさせていた。
しかし、このゴールで「人間、ネガティブなイメージばかり持ってちゃいけないよ」と、頭にヒットを食らった思いである。
少なくとも、このゴール前、カナックスの選手たちはみんな「同点にするぞっ!」というポジティブなイメージを、全員が抱いていたはずである。
この奇蹟の同点ゴールが決まったのが、3ピリの19:19であった。ゴールしたナスランドのNo.は19。ただし、これは彼の今季20ゴール目だった。
待望のオーバータイム。よくぞここまで追い付いたものである。
OTでもナスランドのブレイクアウェイがあったが、今度は決まらなかった。カナックス、実によく守っていたが、3分13秒でサンディーンにとどめをさされてしまった。ううっ、せっかくここまで来たのに、くやしい〜〜〜
残念ではあったが、1ポイントはゲットできた。それよりも何よりも、カナックスの選手たちは、なにか自信をつけてきたようである。
もし、このまま好調が続けば、プレーオフ進出も夢ではなくなる。そうなると、チームを精神的に引っぱる存在として、メシエの存在が不可欠になる、とフロントは考えているらしい。つまり、メシエのトレードは見送りになるかもしれない、というのだ。もしかしたら、そんな噂が選手たちにも伝わって、メシエをトレードさせないためにと、このような頑張りを見せているのかもしれないと、ふと思った。
トレードと言えば、今日の仰天ニュース!!
ボストン・ブルーインズのベテラン・キャプテン、レイ・ボークがコロラド・アバランチにトレードだそうだ。39歳のボークは、ブルーインズに骨を埋めるのかと思ってたが、ダイドンデンガエシである。トレードは、ブルーインズからもう一人、そしてアバランチからはプロスペクツ3人と2001年だかのドラフト指名権だった。ボストンのファンたちは、かなり嘆いているらしい。
3スターズ:
1、ダルシー・タッカー(メープルリーフス)
2、エド・ジョバノフスキー(カナックス)1ゴール2アシスト
3、アレクサンダー・モギルニー(カナックス)1ゴール2アシスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
前回に続いて、また悲しいお知らせが一つ。
みなさんは、長野オリンピックの競技、カーリングを覚えていらっしゃるだろうか? 氷のレーンにストーンをすべらせ、デッキブラシみたいなのでゴシゴシやる、あの見かけはユーモラスな競技である(ただし奥は深い)。女子の部で、圧倒的な強さで優勝したのが、カナダのチームだった。サスカチュワン出身の5人はみんなお母さん。強い母たちであったが、彼女らが表彰台で流した大粒の涙は本当に感動的だった。
その中で、ひときわ印象的だったのが、スキップをつとめていたメガネの女性である。キリッとした美人で、明るいたくましさがあり、常にチームをリードしていた。
そのSandra Marie Schmirlerさんが、先週の木曜日、癌のために亡くなられた。36歳という若さだった。あとには、ご主人と幼い女の子2人が残された。
癌で闘病中というニュースは流れていたが、詳細は伏せられていたので、そんなにお悪いとは知らなかった。同じくサスカチュワン州の男子カーリング・チームのスキップであるGerald Shymko氏は、Sandraさんを偲んで“彼女は私たちのクイーンだった”と語っている。
州都レジャイナで行なわれた葬儀には、州知事や市長をはじめ、600人以上もの人が列席し、その模様はテレビでも放映された。Sandraさんはとても明るい方だったらしく、参列者の一人が、ユーモアたっぷりにSandraさんの思い出をスピーチすると、会場からは笑いも起こり、Sandraさんの明るくお茶目な人柄を偲ばせた。
長野で共に金メダルを獲得したチームメイト4人は、最前列に座っていた。あの表彰台にあがった5人で戦うことは、もうない。
Sandraさんのご冥福を、心よりお祈りいたします。
|