アイヌは北海道の先住民で、二風谷(にぶたに)地域は日本の中でもっとも多くアイヌの人々が住む所です。今回は、二風谷アイヌ文化博物館で働く関根健司さんと一日を過ごしました。アイヌ文化の振興や保存に尽力される関根さんはとても博識なガイドさんで、近所を案内しながらアイヌの生活についてたくさん教えてくれました。どうやら二風谷で暮らす皆さんは、何かしらアイヌとのつながりがあるようでした。私の滞在してた民宿の「お母さん」も、朝食中に着物を引き出して来て、自分の刺繍を見せてくれるんです…しかも、後になって彼女の作品をもっと博物館で見ることになりました!

とても高価な着物なのですが…私に着せようとしてくれます!

お母さんの物語と刺繍に引きこまれました。名残惜しいですがツアーがあるので、アイヌ文化博物館へ。そこで関根さんと待ち合わせました。

アイヌ文化博物館と秋の素敵な色どり

まずは外から始めました。伝統様式の建物が再現されています。

カヌーも!

この建物の中では、時間帯によって伝統工芸の職人さんたちが働いているのを見ることができます。私は、高野繁廣さんがパイプに巧みに模様を彫るのを見ていたのですが、高野さんは「トンコリ」というアイヌの楽器で、即興の演奏までしてくれました!

高野さんがパイプに模様を彫っています。

施設の中では、アイヌの道具や工芸、生活の品々が展示されています。ビデオで舞踊を見たり、物語を聞いたり、また体験型のものもたくさんあります。アイヌ語でのフレーズを学べるコーナーまでありました。関根さんは流暢なアイヌ語話者で、私に10までの数え方を教えてくれました。

施設のたくさんの展示を見てまわります

関根さんがカヌーや、その作り方を解説

二風谷アイヌ文化博物館だけがこの地域の博物館ではありません。萱野茂(かやのしげる)二風谷アイヌ資料館では、萱野茂さんが生涯を通じて、アイヌ文化や言語を未来世代に残そうと収集した品々が陳列されています。二つの施設をまわる割引チケットもあります。

萱野茂二風谷アイヌ資料館では着物が展示されています

もうひとつ、最後に二風谷で訪れた施設があります。沙流川(さるがわ)歴史館という所で、地元の動植物に加え、沙流川とその周辺環境を調査し、アイヌ文化博物館と共に有史以前からのこの地域について広く知識を伝えてくれます。

入場料は無料

昼食の後には、二風谷工芸館で実際に工芸に挑戦してみました。前もって予約し少額の体験料を払えば、経験豊かな先生たちから、様々なアイヌ工芸を学ぶことができます。アイヌ模様に触発されて、私もコースターを縫ってみました。

この出来上がったものは…サンプルです。私のはダメですね!

裁縫はそんなに得意でないのですが、楽しかった!

工芸エリアにはたくさんのものが売られて、見るのも楽しかったです。すべて地元の人による手作りで、どれもとにかく美しい!

これは、はちまきです。私のコースターとは比べものにならない!

続いては、木工体験です。私木工って裁縫よりさらに苦手なんですけど…

がんばりました。でも一回目にしてはそんなに悪くないかも!

このクラフトの先生は、貝澤さん夫妻でした。二人は関根さんのご家族です。

私の先生たちと自慢の生徒!

今日はアイヌについて本当に多くを学び、コミュニティがアイヌ文化を大切にし、保存のために活動していることに心を打たれました。関根さんとご家族には、いろんな場所を見せて頂き、あらゆる質問に答えてもらい、本当に感謝で一杯です。いえ、アイヌ語で言いましょう、「イヤイラケレ!」

ご褒美に、やっと天気が良くなりました!今はこの紫の花が至るところで咲いています。

さあ、次は青森です。あちらでお会いしましょう!

翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶