しおぎり荘のラウンジで、薪ストーブが燃えているのを見て、私は嬉しかったです。日本海を眺める山中にあって、 この施設は秋が深まるに十分な場所で、初雪をもうわずか一ヶ月ほど先に控えています。私が着いた時には疾風が吹きつけていて、周りの木々の枯れ葉をそこかしこに巻き上げていました。それでも、滞在する部屋を、メインの建物かログキャビンのどちらか選ぶ段階になると、決断は簡単でした。皆さんがしばらくこのブログを読み続けてくれていたなら、いつも私は普通じゃない方を選ぶことをご存知のはず。だから、今回はログでキャンプです!

後悔はゼロです!

コードをうまく使って、洗濯干しを作りました。旅館ではこうはいきません…

眺めの綺麗なもうひとつの「オフィス」。しおぎり荘のラウンジです。

私が起きた時にはもう嵐は去っていました。ホストである西原さんは、朝ごはんの前にいくつかアクティビティを用意してくれています。西原さんは、ご自身が自分のお客さんと共に育ってきた周りの自然について、喜んで教えてくれます。

黒文字(くろもじ)を集めて、ハーブティーを作りました。新鮮な、シトラスのような香りで、安眠を助けると言われます。

鳥の鳴き声そっくりの、キぃキぃ音のなるバードコールつくり。

次のアクティビティには、とても貴族的な乗り物で移動。そう、サンドバギーです!ハラハラしましたが、運転が私でなくてよかったです…

いえーい!

私たちの目的地は、パッと見どこにでもある古い崖のように見えるかもしれません。

この縞模様は綺麗ですけどね…

しかし、西原さんのお父さんが40年前にここで道を作っていた時、面白いものを見つけたそうです。

化石です!

化石は1500万年ほど前のもので、主に葉っぱや他の植物です。堆積物が徐々に積み重なってできたのが、この少し暗い色の縞模様のところ。 0.1ミリが1年分で、10センチほどの岩の塊は地球の歴史一千年分を含んでいるんです。

青色の縞の部分は砂で、こちらは大きな地震などの地殻変動の際に、ずっと速く積み重なります。長さを測ってみると、千年ごとか二千年ごとに起こったかわかります。

化石を見つけるには、崖から岩の塊をレバーで削り取り、ハンマーでそれを叩きながら層を分けていきます。技術と運の両方が大事なのですが、私は自分の不器用さで千歳の化石を台無しにしてしまわないようにと、責任重大に感じました。

力を入れすぎると、化石が粉々に。

一度叩くことに、百万年をかけたルーレットをしてるようでした。

でも運よく私は、比較的手つかずの大きな葉っぱの欠片を見つけられました。化石掘りは楽しいだろうとは予想してたのですが、ここまで感動するものとは思いもよりませんでした。そう、2015年のこの秋のさなかに1500万年前の葉っぱの化石を掘り起こしたのです。人間にとっては想像するだに途方もない時間ですが、葉っぱはほとんど同じものでした。過去の距離が急に身近に感じられます。

宮津は今秋真っ盛り…

そして当時の秋

でもすぐに私はこの現代に戻ってきました。バーベキューの美味しい匂いを運ぶ、お肉が焼かれていたからです…

昼食会場はなんて素晴らしい眺め!

野生のわさびがこの辺りでは育っています。さめ皮おろしでおろします。

そして、いっぱいいっぱい食べた後は、自然アクティビティの時間です。でもよかった、今回はあんまり激しすぎるのではありません!

西原さんのお母さんが稲のわらとあじさいでのリースの作り方を教えてくれます。

高度が違うので、あじさいと秋の草花が一緒に育つという不思議な現象が起こるのです。

そしてもうひとつお楽しみが、夜に海岸でありました。それは、花火です!日本では通常夏に行われるので、これは珍しいんです。でも、イギリス人の私にとっては花火といえば11月5日が恒例なので、たくさん重ね着して花火を見るのはどこか懐かしく感じました。

日中は暖かいのに、気温は急に下がりました。だから私は持ってる限りの服を着ることに!

日本三景のひとつである、天の橋立の長い砂州(さす)が二つに隔てる湾にて、花火大会は行われました。花火と一緒に松のたいまつが灯されるため、その両方を楽しむためには水上から見るのが一番なのです。幸いにも、私は地元のロータリークラブに招いてもらい、舟の上から花火を見ることができました。

記念すべき日をこうして終えます

次なる目的地では、さらに山の体験が待っています。でも今度は、食の山体験となりそう…

翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶