今朝起きた時に頭をよぎったのは、様々な思いでした。本日ゴールにいよいよたどり着き、一ヶ月の旅の冒険を経て、北ブロガーのジェシカと再会すること。そして私の旅が終わってしまうという切ない思い。でも、そうして最後のHidden Beauty・隠れた魅力の発見に出発する前に、まずはホテル国富アネックスで温泉に浸かりました…

このいろんな化粧品を試してみます。たくさんの取材のカメラを前に、キレイに写らないといけません!

今日は、新潟県・糸魚川市の塩の道の根知(ねち)を歩くために、We Love Japan Tour 2015チームのメンバーたちも参加してくれました。こののどかな田舎の谷はかつて栄えた商いの道でした。ただそのロマン溢れる名前に反して、実際のこの道は信じがたいほどに過酷なもの。牛と人夫が日本海から内陸の松本の城下町まで塩を運び、冬のさなか険しい峠を越えていったのです。

自然に埋もれたこの道標が道の跡を伝えます。よく見ればですが…

一緒に歩きませんか?

木々を抜けて登っていく道は、秋のいろどりに溢れています。塩でいっぱいの30キロの袋をかついで(男性は50キロ)登らず、こんな華やかな景色を楽しむことができて良かった!

とても美しい景色だったため、地元のガイドさんでさえ立ち止まり、写真を撮っていました。

山肌では紅葉色のシンフォニー

私たちの目的地である白池(しろいけ)は、歩いて行く価値のある所でした。この清らかな池は山々に囲まれていて、たくさんの鳥や野生動物が住んでいます。

静かな池の水面が、秋の木の葉を映し出しています。

のどがカラカラの登山者を潤すわき水も

普段の時よりも今日のチームは大人数!

今歩いたばかりの道についてもっと知るためにも、塩の道資料館を訪問しました。古い茅葺きの農家の中に、塩の道に関するあらゆる工芸品が所蔵されています。とても簡素な服や、運搬者が使っていたワラや木で作られた装備品を見て、昔の人たちのたくましさに一層敬意を覚えたのでした。

気さくなスッタフの皆さんが、昔のこの谷でのことについて教えてくれました。

牛をちょっとどこかに休ませておきたい?この場所に結んでおいてください…

かつてはこうした巨大な丸太が、雪山で人夫たちによって引きずり運ばれていました。そのうちのひとつの木は今は京都・東本願寺の柱となっています。

根知谷ののどかで田舎な環境が、多くの工芸家たちを引き寄せて来ました。昼食の時に何人かとお会いして話すことができました。

水野さんは、自ら自分の窯をつくった熟達した陶芸家でありながら、山で木を切ったり、ヒスイを見つけたりもします。

このひな祭り人形は実際は精巧なジグソーパズルなんです!

塩の道をさらに行くと、渡辺酒造に出会います。日本を縦に通る地質断層線である、糸魚川静岡構造線上にぴったり位置していて、二分された片側から取る軟らかい水は、国際的な賞を獲得したお酒づくりに使われ、反対側の水はただお皿を洗うためだけの水です!酒造には珍しいことですが、渡辺さんとスタッフは自分たちでお米まで作り、真にその地域の素材を活かした地酒を作っています。

渡辺さんが受賞した賞を見せてくれます。

10人の酒造スタッフで、夏には100枚の田で稲を育て、冬に酒づくりをします。

今年のお米の収穫は終わりました。

最後に、もうひとつ地元で有名な産物・盆栽について学びました。真柏(しんぱく)は糸魚川の崖に自生しますが、風雪にさらされ、自然と矮小になりねじれます。この世界で最高品質とされる価値のある木をとろうと、これまで野心的に崖を登った者の多くが命を落としてきました。数世紀を生きてきた木は、太田さんに大切に、まるで盆栽を我が子のように育てられます。ひとつの盆栽を売る時、太田さんは「あの子は嫁いでいきました」と言いました。

この500歳の木はちょうど100万円で売れたところですが、「盆栽の世界では安い」のだそう。

太田さんの盆栽の苗床。できたものの90%は自然で、自分が関わる技術など10%でしかないとおっしゃいますが、きっと謙遜されているのでは…

その後は、大糸線の一両編成の電車に乗って、糸魚川駅を目指します。そして皆が待ち構えていた、We Love Japan Tour 2015ゴールイベントに参加します!

糸魚川へようこそ、We Love Japan Tour 2015チーム!後ろには古い大糸線の車両。

糸魚川の子供たちからブーケを進呈してもらいました。二人が大人になるまでに、きっともっとたくさんの海外のお客さんと会うと思います!

挨拶と花の贈呈の後、ジェシカと私たちは日本海に向かって少し歩き、We Love Japan Tour 2015の最終日の日の入りを見ます。

もうすぐです!

私たちは、このヒスイのペンダントをそれぞれ北海道と沖縄から、はるばる日本のヒスイの里である糸魚川までつけてきました。

私たち二人は大喜びしながらも、ついにゴールまでたどり着いてしまったことがもの悲しくもありました。この素晴らしく忘れがたい一ヶ月で、目を見張る景色や魅力溢れる文化、そして私を歓迎してくれるたくさんの人たちに会いました。きっと日本のHidden Beautyを探す私たちの旅はこれからも続くのだと思います。旅の間、このブログを読んでくれてありがとう。皆さんもぜひそれぞれの場所を訪れて、私たちの経験を試してもらえたら嬉しいです。

翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶